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マルチ内蔵アンプその12 《組み立て編》
2/2(水)

なかなか動かなかったフェーザーミニブースターの2つの回路がほぼ同時に完成した この日。今は夜8時。今日中にある程度組み立ててしまおう。

できた回路、表。その後ろには、前に作っておいた操作パネル。



基板の裏。この3つの回路をうまく固定して、組み立てる。

3つの完成した基板を操作パネルに がっちり固定するのには、可変抵抗(ボリューム)を使うことにした。 針金の併用も考えたけど、まぁ可変抵抗だけで留まれば問題ないな。

まずは彫刻刀で可変抵抗を固定するための穴を開ける。

可変抵抗をはめたときにずれないようにするための穴。 裏側で見えないから、多少失敗してもOK



こんな感じに固定する。そして表からはナットでガッチリ。

可変抵抗と操作パネルはこれで固定できる。
今度は可変抵抗を基板としっかりくっつける。半田をつかい、部品の足を絡ませ、 しっかりと固定する。

ダイオードなどの足が太い部品の足の余りを絡ませ半田付け。 可変抵抗の穴は基板の穴とぴったり合う。



裏から見ると、うまく固定できてるのがわかりやすい。

つぎは基板同士を固定する。これには針金を使用。 針金は買っても良かったけど、家にあったからわざわざ新しいのを買わずに、それを使う。

基板の穴のうち使われていないところに針金を通し、はみ出た部分を ラジオペンチで曲げる。
針金の長さをうまく調整し、可変抵抗と操作パネルの穴の位置が ちゃんと合うようにする。
針金を何本も使ってやると、かなりがっちりと固定された。

基板はこんな風に固定するものじゃないけど・・ まぁしっかり固定できたしいいや。
(作業に熱中して途中で写真をとり忘れたので、 この写真は配線終了後のもの)

基板同士を固定し終わった現段階ですでに11時ごろかな。
ここで寝ればよかったものを、熱中していた俺はこのまま 配線作業へ取り掛かっていってしまった。

スイッチと各回路を、線でつなげていく。すぐに終わると思ったけれど これがかなりやっかい。

参考:回路図
こんな感じに配線した。回路自体は ひよこのページ石崎工房 のものだけど、この配線は自分で考えたオリジナル配線です。

3つのトグルスイッチには、
・アンプ全体のON/OFF
・ミニブースターON/OFF
・フェーザーON/OFF
を割り当て、TrueBypass (スイッチOnの時はギターの音がそのエフェクターの回路の中をとおり、 Offの時はギターの音が回路をまったく通らずに、そのままスルーされる。) にし、スイッチON時にはLEDがつくように配線。

また、ドライブブースターディストーションファズ の3つの回路の切り替えスイッチも同様に配線。
これはかなり大変。なかなかうまくいかず、試行錯誤の連続・・・

そして、全ての配線が終わった時に時計を見ると
朝の5時半
俺、やりすぎ。熱中しすぎ。
だから配線に手をつけずに11時の段階で寝とけばよかったのに。

まぁこういう勢いも大事だよね。一気に終わるしね。(と苦しい自己援護をしてみる)

全ての配線が終わった朝の5時半。6時間に及ぶ基板との格闘の痕跡。

結局この日はこの後も全く寝ず、回路むき出しのままスイッチをカチカチやって、 ギターを弾きまくってから学校へ。



2/3(木)

翌日、今度は操作パネルの表部分に着手。
ここは外見に大きく影響を与えるところだから、機能性も大事だけどそれよりルックス重視で。

スプレーをかけて黒くなった操作パネルに、白で字を書いていく。
この作業でつかったのは、中学の頃のポスターカラー(白)と、爪楊枝。
ポスターカラーをパレットに出し、筆ではなく爪楊枝で字を書いていく。
爪楊枝にしたのは、字が細かすぎるため。それに、書く面は木。 でこぼこしてるから、面相筆だとちょっと難しい。

英字の基準となる線(一番下のラインと一番上のライン)を 鉛筆で薄く書き、丁寧に書いていく。
作業中の右手にポスターカラーがつくといけないから、左から書いていく。

直線部分は、マスキングテープ(¥80)を使用。 線の左右に貼り、ポスターカラーを上にゆっくり塗っていき、 だいたい乾いたらマスキングテープをはがせばばっちり。



完成した操作パネル。自分の中でもこれは傑作!ここまで本物っぽくできるとは 思ってなかったな。所要時間:4時間。

ボリュームの周りの点は、実際にボリュームをはめてまわしてみて位置を決定。
全部書き終わったら、2年前に100均で買った木工用透明ニスを引き出しから出し、 平筆で塗る。
伸ばすように塗るとポスターカラーが伸びちゃうかもしれないから、 上からたたくように塗る。学校の美術の時間に学んだ知識がここで役に立った。

今度はスピーカー保護部分の製作。
最初は角材を切って作ろうとしたけれど、そのダサさに閉口して断念。

当初の予定。完成予想図。
(参考:計画編)



実際に木を置いてみるとあんましかっこよくない。機能性も悪そう。
(参考:外箱製作編)

ここで俺が考えたのが、「父さんの古ズボン作戦」。
古くなって穿けなくなった父さんのズボンを頂戴し、それを使うことに。

ズボンの切れ端をスピーカーにかぶせる。

家庭科で買った裁縫道具を取り出し、裁ちばさみを久しぶりに手にする。 美術といい家庭科といい、副教科大活躍。
洗濯された古ズボンをちょうどいい大きさに切っていく。

切り終わったら今度は取り付け作業。

ホッチキスを何回か使い、固定する。

これでスピーカー部分は完成。

ここで風呂に入り、さっぱりしたところで全体の組立作業に入る。


だいたいこんな感じか?と仮置き。

ずれないように注意して、ちょっとだけきりで穴を開けてから 木ねじをドライバーでねじ込む。

夜の12:30になり、操作パネル以外の部分は完成。

操作パネル以外、ねじで固定した。

とりあえず今日はここまで。



2/4(金)

この日は、パワーサプライで使われていたIC、"7809"に 放熱板をつける。買った放熱板は穴が無かったために固定するのが難しく、 自分なりに工夫してみた。
穴があればねじで簡単に留めれたけど、まぁいいや。


左下に写ってる黒い放熱板を固定した。

工夫したといっても、結局は針金で固定しただけ・・・
まぁ上下左右にしっかり固定してガチガチにしたから問題ないかな。

ICにしっかりと密着している。

もう完成間近だけどこの日はあまり時間が無く、ここで終了。

操作パネル、表。後はこれをはめるだけ!





2/5(土)

週末になった。アンプ製作の最終段階に突入。

操作パネルをアンプ本体にくっつけるときに気をつけたのは、 シールドのプラグをジャックに抜き差ししたときにぐらぐらしないこと。
シールドを抜いたときに一緒に操作パネルまで外れたらやばい。

4箇所に木片をねじでつけ、そこに木工用ボンドを使って操作パネルをくっつける。
木工用ボンドを指に取り、一度木片と操作パネルの裏に薄く塗る。 木材はボンドを吸ってしまうので、それに対する対策として。
この作業をやらないと、木がボンドを吸って接着力が弱くなってしまう。

それからボンドをもう一度つけて木片と操作パネルをあわせ、しっかりと 押さえる。
上におもりを載せて、しばらく待つこと2時間。

やっとボンドが乾いてきた。

木工用ボンドは乾くのに時間がかかるから、焦ったりせずにじっくりと待つ。
のんびりとギターでも弾きながら、待つ。

裏から見た。4つの木片は外からは見えないため、色は塗っていない。 ちょっとボンドが生乾きかな・・?

余談だけど、一度天板をねじでつけたらこの作業がやりづらくて、また天板をはずしました・・
ねじ穴が写真にも写ってる。

ドライブブースターディストーションファズ の3つの回路の切り替えスイッチの周辺が回路と接触しそうだったから、 メモ用紙をちぎって間に挟み、絶縁対策。

絶縁対策用のメモ用紙。無いよりはまし。

そしてさっき一度取り外した天板をもう一度つけ、完成!!

ついに完成した!自作マルチエフェクター内蔵アンプ!

もう、最高です。かなり本物っぽいです。

なんとなくローアングル。

写真撮りまくりです。

正面View。



背面View。

後ろから見ると回路丸見えで、埃とかつもりそうだな・・・ というのは一応、計画段階のうちに対策を考えておいた。

そのために予備の板を一枚用意しておいた。

今度ちょうつがいを買ってきてこれを取り付けようかと。
ただ、今のままのほうが、手を引っ掛けて持ち運びしやすいから これはしばらく保留。もし砂まみれの屋外で このアンプを使う日が来たら、その時にはつけようか。

まだ、写真を撮り続ける俺。

スピーカー部分の上下につけた補強板がちょっと"らしさ"を醸し出してる・・?



そして底にはゴム足をしっかりと装着。

一人、部屋で完全に自分の世界に入り込んでいる。

ギターとつなげる。(ちょっと暗くて見にくい)

ハードオフで買った中古アンプの残骸と並べてみる。

ちょっとスリムになった



横幅はあんまし変わらない。

今度は上から覗き込む。

上から見ると、ナットでしっかり固定してあるのが見える。



シールド、ACアダプターをつないだ状態で操作パネルを拡大。




〜終わりに〜

冬休みから計画を始めていた「自作マルチエフェクター内蔵アンプ」は、 2005年2月5日をもって完成しました。
最初は無茶な計画だと自分でも思っていましたが、 何とかうまく作れて今は達成感にあふれています。 徹夜までして頑張った甲斐がありました。
いろんなトラブルが起こりましたが、全部勉強です。 一回り成長できたと思います。

自分で回路を組むことはできても、まだ動作原理は良く分かりません。 いろいろ調べてみたのですが、ちょっと自分にはまだ難しいようです。
そのうち、動作原理をしっかりと理解し、自分で 回路を設計できるようになれればうれしいです。

また、いくら良いエフェクターを持っていても、 その人のギターの腕前が半人前では宝の持ち腐れです。
まだギターを始めて1年しか経っておらず、しかもすべて独学なので、 初級者の枠からなかなか抜け出せません。
今回作った作品を使い、しっかり練習してギターの腕もあげていければ いいと思っています。




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